更新日時:2021年2月23日
行政書士 佐久間毅
もくじ
2. 例外:「特段の事情」があり入国できる場合とは(法務省)
3. 在外公館(外務省)における日本人の配偶者に対する査証申請受付状況(新型コロナウイルス対応)
5. 新型コロナウイルスに関する法務省・外務省の情報源リンク
配偶者ビザを日本トップレベルでお手伝いしている東京のアルファサポート行政書士事務所が、
法務省(出入国在留管理局)と外務省(在外公館)の新型コロナウイルス対応についてまとめて解説します。
なおこの記事は、2021年2月23日現在で執筆していますので、今後の情勢を常にご自身でアップデートしてください。
また分かりやすさを優先させて記述しますので、より正確な理解のために、必ずリンク先の官庁サイトで情報を確認してください。
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現在、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、多くの国からの外国人の入国ができなくなっています。
法務大臣は、当分の間、一定の国・地域に滞在歴がある外国人等について、特段の事情がない限り、入管法第5条第1項第14号に該当するものとして、上陸を拒否することとしているのです。
2020年11月1日から、オーストラリア、シンガポール、タイ、韓国、中国(香港及びマカオを含む)、ニュージーランド、ブルネイ、ベトナム、台湾の各国につては、上陸拒否が解除されました。ただし、これらの国においても、査証免除措置の停止は引き続き行われています(中国やベトナムは従来より査証免除国ではありません。)。
つまり、韓国やオーストラリアなどコロナ以前に査証免除国として指定されていた国であっても、上陸拒否が解除されたとはいえ、査証を取得しなければ入国することができません。
なお、2021年2月19日現在においても、これらの国は上陸拒否対象国に戻されてはおらず、解除は維持されています(下記、外務省ホームページご参照。)。
〇上陸拒否となっている国・地域の確認
〇査証免除措置の停止の対象国の確認
1のとおり、上陸拒否が解除された国以外の方は、「特段の事情」がない限り、日本へ入国することができません。
以前は、新規入国する日本人の配偶者は一律に「特段の事情がある」とは認めてもらえず、個別の事情を考慮するとされていました。しかしながら令和2年11月1日より、日本人の配偶者である方の上陸について、不確実性が減少しました。
令和2年11月1日より、新規入国する日本人の配偶者は、一律に「特段の事情があるものとして」上陸を許可するとされたからです。
つまり、日本人の配偶者であれば、個別の事情を考慮することなく「特段の事情がある」と判断されます。
この取り扱いは、令和3年2月2日現在も維持されていますが、2回目の緊急事態宣言が解除されるまでのあいだは、「真に急を要する場合を除き」日本への渡航日程を延期することについて、理解と協力が求められています(下記、法務省の通達をご参照。)。
しかし当然のことですが、これはすべての日本人の配偶者が日本への入国を許可されるという意味ではありません。
入管が在留資格認定証明書を交付し、在外公館で査証が発給された場合には、新型コロナの防疫のみを理由にして入国が拒否されることはありませんという意味です。
在外公館における査証の発給は、当該国における新型コロナウイルスの感染拡大状況に左右されますので、必ずお相手の滞在国の日本大使館ホームページでその国の情報を確認してください。
以下では、例として、在中国日本大使館における新型コロナウイルス対応の取り扱いを解説します。
在中国日本大使館においては、上記の法務省発表を踏まえ、下記の方の査証申請を受理し、審査の結果問題がなければ査証を発給するものとしています。
〇対象者
「日本人の配偶者若しくは子」で、日本に家族が滞在しており、家族が分離された状態にある方で、下記のいずれかに該当する方が対象となります。
(1)在留資格認定証明書を取得済みの方
(2)在留資格認定証明書をお持ちでない方で本邦に短期間(90日以内)の滞在を希望される方
(参照)在中国日本大使館ホームページ
上陸拒否の対象地域に滞在歴がある外国人(日本人の配偶者を含む。)が日本に入国・再入国する場合は、原則として、滞在国を出国する前72時間以内に新型コロナウイルスに関する検査を受けて「陰性」であることを証明する必要があります。
新型コロナウイルスに対する「追加的防疫措置」とは、出国前72時間以内に実施した検査による新型コロナウイルスに「陰性」であることの検査証明の取得のことを言います。
この書面を、日本に到着した際、入国審査官に提出することとなり、もしそれができない場合には、たとえ日本人の配偶者であっても上陸拒否となります。
新型コロナウイルスの追加的防疫措置は8月から順次行われているのですが、ほとんどの「日本人の配偶者等」の方についても、令和2年9月1日から追加的防疫措置の対象とされることとなりました。
加えて、2回目の緊急事態宣言が解除されるまでの間、上陸拒否対象地域の如何にかかわらず、「全ての入国者・再入国者・帰国者に対し、出国前検査証明の提出」が求められています。
「出国前検査証明」を取得する
「出国前検査証明」とは、医療機関が発行する新型コロナウイルス陰性の証明のことを言います。
滞在先の国・地域を出国する前72時間以内に新型コロナウイルス感染症に関する検査を受けた上で、原則として所定のフォーマットを使用します。
任意の様式を用いる場合は、所定フォーマットと同内容が記載されている必要があります。具体的には次のとおりで、全項目につき英語で記載されている必要があります。
A人定事項(氏名,パスポート番号,国籍,生年月日,性別)、
B新型コロナウイルス感染症に関する検査証明内容(検査手法(所定のフォーマットに記載されている採取検体、検査法に限る。)、検査結果,検体接種日時,検査結果決定年月日, 検査証明交付年月日)
C医療機関等の情報(医療機関名(又は医師名),医療 機関住所,医療機関印影(又は医師の署名))
新型コロナウイルスに関する法務省と外務省の情報収集はこちらで行なってください。これらの情報を個別のご事情に適用するサポートは、東京・アルファサポート行政書士事務所の個別有料相談をご活用ください。
(法務省の情報源)
・新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否等について ※主に、配偶者ビザでの新規入国に関する情報
・新型コロナウイルス感染症に関する外国人の在留諸申請について ※主に、配偶者ビザの更新・配偶者ビザへの変更に関する情報
(外務省の情報源)
・新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について ※外務本省
・在外公館のホームページ
※日本で在留資格認定証明書が交付されても、お相手の母国でロックダウンが進行中の場合もあります。
その国特有の事情については、在外公館のホームページで確認しましょう。
(例)
日本有数の配偶者ビザ申請件数を誇るアルファサポート行政書士事務所においては、コロナ禍にあっても、配偶者ビザへのビザ変更や更新申請は例年通りのご依頼をいただいておりますが、6月下旬までは海外からの呼び寄せのご依頼が減少傾向にありました。
これは在留資格認定証明書交付申請をしても、入国のめどが立たなかったためです。
しかしながら7月以降にまず出入国在留管理局が見合わせていた在留資格認定証明書の交付を再開し、その後の在外公館の呼応を受けて、これまで入国することを控えていたすでに在留資格認定証明書を交付されている日本人配偶者のお客様が、8月に入りぞくぞくと配偶者ビザでの入国を始めています。
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現在、東京出入国在留管理局は、入管庁舎内が3密になることを防ぐため、入場制限をしています。
まず入り口にいる入管職員さんから「時間指定整理券」を入手し、その時間になったら東京入管の正面玄関より庁舎内に入ることができます。
東京入管の正面玄関の横にはテントが張られていてそこで待ち時間を過ごすことができます。冬季は少々寒いかもしれませんが、有効に活用しましょう。
かねてより東京出入国在留管理局は入場規制をするなど新型コロナウイルス対応をとっていましたが、ついにクラスターが発生してしまいました。
NHKや朝日新聞等の報道によれば、2020年8月9日現在、6人の入管職員さんが新型コロナウイルスに感染してしまったとのことです。
入管へ出向く際には、「移さない・移されない」ことを意識して、十分な感染対策を取りましょう。
また、第二波では札幌入管でもクラスターが発生していますので、長時間にわたり人が密集する場所だけに、注意が必要です。
ビザのことなら出入国在留管理局(入管)で何でも教えてくれると思っていませんか? それは税務署で「節税」対策を教えてもらうことを期待するようなものです。税についてならば何でも税務署で相談すれば事足りるというものではありませんよね?
例えばビザの必要書類でいえば、どの書類があれば「受付」するかは教えてくれますが、その受付された書類で許可が見込まれるのか、不許可になる可能性が高いのかは一切教えてくれません。でもそこが一番肝心ななずです。
あなた(審査される人)と入管(審査する人)とでは利害関係が一致しておらず、教えてくれることとくれないことがあることを理解しましょう。あなたの立場にたった本当のノウハウはみんビザ™がお勧めする行政書士が教えてくれます。>>こちら
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行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)
東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。