更新:2020年11月3日
行政書士 佐久間毅
この記事では、ロシア人と日本人との結婚手続きについて、
日本で先に結婚する方法と、ロシアで先に結婚手続きを行なう方法にわけて、
東京のアルファサポート行政書士事務所がくわしく解説します!
なおロシア人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、
交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。
問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう。
配偶者ビザの条件の中には、国際結婚の完了後にはどうにもできない問題がいくつかあります(例えば交際期間など。)。
まだご結婚前であれば、交際期間などについて再考できるはずですので、関連記事「配偶者ビザの条件」などをよくご確認ください。
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>> 日本先行でロシア人と結婚をする場合は、市区町村役場に結婚届を提出します。
>> ロシア先行でロシア人と結婚する場合は、日本人が婚姻要件具備証明書を取得します。
>> ロシア先行で結婚をした場合は、最終的に両方の国で結婚を届け出ることができます。
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いいえ、同じではありません。したがって、カップルが置かれている様々な状況によって、どちらを選択すべきかが違ってきます。
以下を参考に決定しましょう。
ロシア人と日本で先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。
<メリット>
・結婚手続きがロシア先行の場合よりもはるかにシンプルで簡単であり、時間もかからない
<デメリット>
・日本で成立した結婚はロシア国内でも有効な結婚として認められることの裏返しとして、ロシア政府から結婚証明書を取得できない
【解説】
日本先行でロシア人と結婚する方法は、ロシアで結婚するよりもはるかにシンプルなので、多くの方がこの方法で結婚されています。
しかしながら、今後ロシアで暮らしていくという場合には、ロシア政府発行の結婚証明書を取得することができるロシア先行で結婚することにも大きなメリットがあります。
結論としては、今後、日本で結婚生活をおくることを計画し、当面はロシアで生活する予定がない場合は、日本先行でよいでしょう。
ロシア政府発行の結婚証明書を取得することができないと不安に思う方も多いでしょうが、実は、そちらのほうが国際的にはスタンダードと言えます。
アメリカ、中国、イギリスといった大国も、ロシアと同じ制度なので、日本の結婚を先行させた場合にお相手の政府から結婚証明書を取得することができないことはそれほど珍しいことではありません。
他方で、日本先行で結婚をしてもお相手の国からきちんと結婚証明書を取得することができる国としては、ヨーロッパの大陸法系の国や、韓国、台湾、フィリピンなどです。
ロシア政府によれば、ロシアで結婚を証明する手段としては、日本の市区町村役場で発行される「婚姻届受理証明書」に、日本外務省でアポスティーユを受け、それに公証翻訳を添付したものが使用可能とのことです。
ロシア人とロシアで先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。
<メリット>
・ロシア政府から「結婚証明書」を取得することができる
<デメリット>
・ロシア先行で結婚手続きを行なうと、日本先行で行なうよりも複雑で時間もかかる
・ロシアに結婚当事者2名がそろわないと結婚することができない
【解説】
まず、日本先行で結婚手続きを行なうと、将来、ロシア政府発行の「結婚証明書」を取得することができなくなります。
なぜならロシアという国は、外国で成立した結婚を特別な手続きをすることなくそのまま自国の結婚として認める国なので、日本で成立した結婚をロシア政府に登録する手段が用意されていないからです。
したがって、今後日本ではなくロシアで結婚生活を送るという場合には、ロシア政府から結婚証明書が発行されるロシア先行の方がなにかと便利といえます。
いっぽう、ロシア先行の結婚手続きはロシアの法制度にのっとって行われるため、日本よりも複雑で時間もかかります。
まず、ロシアには結婚登録を申請してから結婚式を挙げることができるようになるまでに約1か月の待機期間があります。
さらに、日本人が準備する書面は、ロシア外務省での認証や翻訳局での公証を求められ、いくつもの役所をはしごする必要があります。
結論としては、今後、ロシアでながく結婚生活を送る予定のあるかたは、ロシア先行で結婚されると良いでしょう。
日本人とロシア人が日本先行で結婚をする場合の手続きは、わずか2ステップで完了します。
日本で結婚生活を送る場合はStep3に進みましょう。
Step1:ロシア人が、在日ロシア大使館で「婚姻要件具備証明書」を取得
在日ロシア大使館へロシア人が出向いて、ご自身の「婚姻要件具備証明書」を取得します。
婚姻要件具備証明書とは、ロシア人がロシアの法に則って結婚できる状況にあることを証明する書類です。
【必要書類】
・ロシア人の外国パスポート
・ロシア人の国内パスポート
※ロシア人は通常、外国用パスポートと国内用パスポートをお持ちです。国内用パスポートのは「婚姻状況」を記すページがあります。
その「婚姻状況」欄に婚姻登録の事実が記入されていなかったり、あるいは離婚したため結婚登録の事実が消去されていたりすることで、いま現在独身であることが確認されます。
なお、国内パスポートがない場合は、ロシアの公証人が発行した結婚していないことについての宣誓書などが代替書面として認められています。
・登録カード ※写真添付済みのもので、判読可能な手書きのロシア文字で記入されたもの。
・婚姻要件具備証明書申請書
・申請人に前婚がある場合には、離婚証明書
Step2:日本の市区町村役場へ婚姻届を提出
日本の市区町村役場へ結婚届を提出し、結婚を成立させます。
【必要書類】
・婚姻届
・婚姻要件具備証明書と日本語訳
・ロシア人のパスポート
・日本人の本人確認書類
・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚をする場合
・その他指示されたもの
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国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。
Step3:日本の配偶者ビザを申請する
日本での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。
ロシア人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。
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Step1:ロシアの役所(ザックス)に、相談する
ロシアでは、ザックス(ZAGS :Zapis Aktov Grazhdanskogo Sostoyaniya)という役所が結婚などの戸籍事務を担当しています。日本でいえば、市区町村役場の戸籍課のようなところとイメージしましょう。事前相談の際には予約はいらず、ロシア人ひとりで行かれても大丈夫です。
ザックスでは、必要書類の詳細な情報と、結婚登録の事務手数料(100ルーブル)を振り込むザックスの銀行口座番号などが知らされます。
結婚申請から結婚式までのロシア法が要求する1か月の待機期間については、日本人のビザの期限が迫っている場合には特例として短縮することができることがありますので、ザックスの担当者に相談しましょう。その際は、日本人が持つビザの期限が迫っていることや日本人が日本に帰国するための航空機のチケットを提示し、その旨を述べた要望書を作成し、ザックスに提出することとなります。
Step2:日本人が在ロシア日本国大使館で「婚姻要件具備証明書」を取得する
婚姻要件具備証明書とは、日本人が日本法に照らして結婚できる状況にあることを日本政府が証明する書面で、ロシア政府へ提出することが予定されているためロシア語で交付されます。
【必要書類】
・旅券
・戸籍謄本 1通
(婚姻要件具備証明の場合は発行から3か月以内のもの)
・外国名が含まれる場合、綴りを確認できる公文書(例:親等が外国人の場合は,親の出生証明書,旅券等)
・その他指示されたもの
【手数料】
・1通につき710ルーブル
【交付日】
・申請日の翌々日(休館日を除く)
Step3:日本人の「婚姻要件具備証明書」に、ロシア外務省で認証を取得する
日本大使館で発行された日本人の「婚姻要件具備証明書」が本物であることを、ロシア外務省に認証してもらいます。ロシア外務省の
認証課で、約200ルーブルで取得できます。ロシア外務省には昼休みがありますのでご注意ください。
Step4:日本人のパスポート写しに、ロシアの公証翻訳を取得する
日本人のパスポートの1ページ目の個人情報が記載されたページの写しについて、ロシアの公証翻訳を取得します。
公証翻訳という制度は日本国内にはないのでわかりづらいと思いますが、翻訳について公証人が認証を付す制度で、ヨーロッパ諸国ではメジャーです。公証人が常駐している翻訳センターで取得できます。
Step5:ザックスで、結婚登録を申請する
・ザックスに、結婚の必要書類と、結婚登録の事務手数料を支払ったことを証明する領収書を提出します。問題がなければ、結婚登録の申請書を渡されます。この申請書には、結婚当事者の両名が署名する必要があります。
・記入した申請書をザックスの担当者に渡すと、申請日から32日経過後、60日以内の日付で、結婚式の日取りが予約されます。
・32日の待機期間については、日本人のビザの期限が迫っている場合には特例として短縮することができることがありますので、ザックスの担当者に相談しましょう。その際は、日本人が持つビザの期限が迫っていることや日本人が日本に帰国するための航空機のチケットを提示し、その旨を述べた要望書を作成し、ザックスに提出します。
Step6:結婚式を挙げ、結婚証明書を取得する
ザックスでの結婚申請日から32日以後60日以内に結婚式を挙げます。結婚式が完了すると、その日に「結婚証明書」を取得できます。
ロシア政府発行の結婚証明書を日本の市区町村役場へ提出するためには、ロシアのアポスティーユを取得する必要があります。
Step7:日本に結婚を報告する
今後、日本で生活をする場合には、日本に帰国してから、アメリカで結婚が成立したことを報告するために市区町村役場に結婚届を提出します。
【必要書類】
・婚姻届
・結婚証明書とその日本語訳
・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚する場合
・日本人の本人確認書類
・ロシア人の出生証明書
・ロシア人のパスポート
・その他指示されたもの
〇よく一緒に読まれている記事
国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。
Step8:日本の配偶者ビザを申請する
両国での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。
ロシア人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。
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行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)
東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。