更新:2021年1月17日
行政書士 佐久間毅
この記事では、ポーランド人と日本人との結婚手続きについて、
日本で先に結婚する方法と、ポーランドで先に結婚手続きを行なう方法にわけて、
東京のアルファサポート行政書士事務所がくわしく解説します!
なおポーランド人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、
交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。
問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう。
配偶者ビザの条件の中には、国際結婚の完了後にはどうにもできない問題がいくつかあります(例えば交際期間など。)。
まだご結婚前であれば、交際期間などについて再考できるはずですので、関連記事「配偶者ビザの条件」などをよくご確認ください。
〇よく一緒に読まれている記事
>> 日本先行でポーランド人と結婚をする場合は、市区町村役場に結婚届を提出します。
>> ポーランド先行でポーランド人と結婚する場合は、日本人が在ポーランド日本国大使館で書類を取得します。
>> 日本先行で結婚をしても、ポーランド先行で結婚をしても、最終的に両方の国で結婚を届け出ることができます。
いいえ、同じではありません。ポーランド先行の場合はポーランド法にもとづいて、日本先行の場合は日本法にもとづいて結婚するからです。
したがって、カップルが置かれている様々な状況によって、どちらを選択すべきかが違ってきます。
以下を参考に決定しましょう。
ポーランド人と日本で先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。
<メリット>
・結婚手続きがポーランド先行の場合よりもシンプルで簡単である。
・ほとんどの手続きが在日ポーランド大使館で完結できるので、他国と比較してもカンタン。
<デメリット>
・日本で成立した結婚はポーランド政府にも登録できるので、特にありません。
ポーランド人とポーランドで先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。
<メリット>
・日本先行の場合と比較したメリットは特にありませんが、カップルがポーランドにいる場合にはこちらが選択されます
<デメリット>
・ポーランド先行で結婚手続きを行なうと、日本先行で行なうよりも時間もかかる(原則として1か月、ただし例外あり。)
・ポーランドに結婚当事者2名がそろわないと結婚することができない(対して、日本は1人でも結婚できる)
▼記事は下につづきます▼
日本人とポーランド人が日本先行で結婚をする場合の手続きは、6ステップで完了します。
日本で結婚生活を送る場合はStep7に進みましょう。
なお、ポーランド人の婚姻要件具備証明書は、ポーランド本国で取得することもできますが、在日ポーランド大使館で取得することもできます。
Step1:日本人が、法務局で「婚姻要件具備証明書」を取得する
後述のStep3でポーランド人が在日ポーランド大使館で「婚姻要件具備証明書」を取得するための必要書類として、日本人の「婚姻要件具備証明書」を求められます。そこで日本人がまず法務局で「婚姻要件具備証明書」を取得します。
日本人の「婚姻要件具備証明書」とは、日本人が日本の民法に照らして結婚できることを、日本政府(法務局)が証明する書面です。
【必要書類】
・日本人のパスポートまたは運転免許証
・日本人の戸籍謄本 ※なるべく新しいもの
〇参照:東京法務局ホームページ
Step2:日本人が、日本外務省で「婚姻要件具備証明書」にアポスティーユを取得する
日本人が取得した「婚姻要件具備証明書」に日本外務省から認証をもらいます。なぜなら、日本の法務局が発行した「婚姻要件具備証明書」が本物であるか在日ポーランド大使館は判断できないので、日本外務省からお墨付きをもらう必要があるのです。
Step3:ポーランド人が、在日ポーランド大使館で「婚姻要件具備証明書」を取得
ポーランド人の婚姻要件具備証明書は、ポーランド本国で取得することもできますが、在日ポーランド大使館で取得することもできます。
あらかじめ予約を取った上で、在日ポーランド大使館でポーランド人の「婚姻要件具備証明書」を取得します。
これは、ポーランド人がポーランドの法に則って結婚できる状況にあることを証明する書類です。
3.1 ポーランド大使館の予約をとる
訪問前に予約を取ります。
〇在日ポーランド大使館
3.2 ポーランド大使館を訪問
予約した日時に、在日ポーランド大使館を訪問して、婚姻要件具備証明書を取得します。
【必要書類】
・ポーランド人のパスポート原本
・ポーランド人の出生証明書
・ポーランド人に前婚があるときは、前婚が解消していることの証明書
・日本人のパスポート原本
・日本人の婚姻要件具備証明書 ※アポスティーユ付き
・その他、指示されたもの
Step4:日本の市区町村役場へ婚姻届を提出
日本の市区町村役場へ結婚届を提出し、結婚を成立させます。
結婚が成立したら、ポーランド政府に届け出る必要があるので、結婚後の「戸籍謄本」を取得します。
【必要書類】
・婚姻届
・ポーランド人の婚姻要件具備証明書と日本語訳
・ポーランド人のパスポート
・日本人の本人確認書類
・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚をする場合
・その他指示されたもの
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国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。
Step5:日本人が、日本外務省で「戸籍謄本」にアポスティーユを取得する
日本人が取得した「(結婚の事実が記載された)戸籍謄本」に日本外務省から認証をもらいます。なぜなら、日本の市区町村役場が発行した「戸籍謄本」が本物であるか在日ポーランド大使館は判断できないので、日本外務省からお墨付きをもらう必要があるのです。
Step6:日本で成立した結婚を、在日ポーランド大使館へ届け出る
みずから直接ポーランド本国において結婚を登録することもできますが、在日ポーランド大使館を経由して行うこともできます。
この手続きは大使館に直接出向いて行なうことも、郵送で行うこともできます。出向くときは、予約が必要です。
【必要書類】
・戸籍謄本 ※アポスティーユ付き
・宣誓翻訳者による戸籍謄本の日本語訳
・身分証明書
・その他指示されたもの
〇在日ポーランド大使館
Step7:日本の配偶者ビザを申請する
日本での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。
ポーランド人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。
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ポーランドでは民事婚といって役所で結婚式を挙げる方法と、宗教婚といって教会などで結婚式を挙げる2つの結婚方法があります。
後者の教会での挙式を選んだ場合でも、特別な別途の儀式をすることなく、役所に結婚が登録されます。
多くの日本人がキリスト教徒でないこともあり、日本人とポーランド人のカップルの大多数が宗教婚ではなく民事婚を選択されていることから、以下では民事婚(Civil Marriage)の手順を、ステップごとにご説明します。
Step1:日本人が在ポーランド日本大使館で「婚姻要件具備証明書」「出生証明書」を取得する
婚姻要件具備証明書とは、日本人が日本の民法に照らして結婚することができる状態にあることを、日本政府が証明する書面です。婚姻要件具備証明書は日本国内の法務局又は在ポーランド日本国大使館で取得することができます。
この他、出生証明書など、ポーランドの戸籍局から指示された書面を取得します。
【在ポーランド大使館での婚姻要件具備証明書取得のための必要書類】
・日本人のパスポート
・日本人の戸籍謄本 ※3カ月以内に発行されたできるだけ新しいもの
・ポーランド人のIDカード写し
・その他指示されたもの ※離婚歴のあるときなど
Step2:ポーランドの役所に結婚の書面を提出する
ポーランドの市民登録局(在日ポーランド大使館がいうところの戸籍局)に出向き、結婚のための書類を提出します。
このとき、ポーランド語を話すことができない日本人は、宣誓翻訳者を同伴して市民登録所に出向く必要があります。結婚の宣誓をしなければならないからです。
〇参照:宣誓翻訳者のリスト
市民登録局に書類を提出してから最低1か月経過したあとでないと、結婚式をあげることができないのが原則です。
ただし市民登録局に例外的に認められれば、別途の手数料を支払うことにより、この待期期間を短縮することができます。
結婚の宣誓と提出された書面に問題がなければ、市民登録局長は「結婚に妨げのないことについての証明書(zaświadczenie)」を発行します。
この証明書(zaświadczenie)は、カップルが宗教婚を希望しているときにはカップルに手渡され、民事婚を希望している場合には役所で保管されます。証明書(zaświadczenie)は6か月間有効です。
【必要書類】
・結婚式を行なう市民登録局の口座に84ズウォテイの印紙税を支払ったことの証明
・日本人の身分証明書
・日本人の婚姻要件具備証明書
・出生証明書
・ポーランド人の身分証明書
・その他指示されたもの ※前婚がある場合の、前婚解消の証明書など
Step3:結婚式をあげる
ポーランドの市民登録局(在日ポーランド大使館がいうところの戸籍局)に出向き、結婚式をあげます。
このとき、ポーランド語を話すことができない日本人は、宣誓翻訳者を同伴して市民登録所に出向く必要があります。
結婚の証人は成人である必要があり、身分証明書を持参し、ポーランド語を解するか、解さない場合は同じく宣誓翻訳者の同伴が必要です。
カップル、証人が宣誓・署名して結婚が成立すると、市民登録局は「結婚証明書」を発行します。
Step4:日本に結婚を報告する
今後、日本で生活をする場合には、日本に帰国してから、ポーランドで結婚が成立したことを報告するために市区町村役場に結婚届を提出します。または在ポーランド日本国大使館でも可能ですが、この場合は日本の戸籍に結婚の事実が反映されるまでに時間がかかります。
【必要書類】
・婚姻届
・結婚証明書とその日本語訳
・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚する場合
・日本人の本人確認書類
・ポーランド人の出生証明書
・ポーランド人のパスポート
・その他指示されたもの
〇よく一緒に読まれている記事
国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。
Step5:日本の配偶者ビザを申請する
両国での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。
ポーランド人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。
〇よく一緒に読まれている記事
行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)
東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。