更新日時:2021年2月23日
行政書士 佐久間毅
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ベトナム先行の方法で、日本人とベトナム人が結婚する場合は、日本人がベトナムに渡航してする必要があります。
婚姻登録の「申請」自体はベトナム人お一人でも可能なのですが、婚姻登録証明書の交付は、夫婦そろって人民委員会に出頭する必要があるのです。
儀式というほどのものではありませんが、ベトナム法では権限をもつ機関において行われる「結婚登録書授与式」が行なわれることをもって、
法律の規定に沿った結婚と認められるので、両名の出頭は避けられません。
お仕事でベトナムに赴任されている日本人と現地のベトナム人がご結婚される場合は両名の出頭に支障はないので、通常、日本先行ではなくベトナム先行でご結婚される方が多いです。
2016年からベトナムの役所による「面接」がなくなったので従来よりも簡便になり、不確実性も以前よりは減少しました。
従来はつぎのように規定され、その判断が極めて恣意的であったため、ベトナム先行での結婚手続きは不確実性が高かったのです。
「口頭での聴取および審査の結果、不法な仲介に基づく婚姻であること、偽装結婚であること、暖かく平等、進歩的、幸福かつ揺るぎない家庭を築くことを目的としていない婚姻であること、
民族の醇風美俗に適合しない婚姻であること、婚姻の形式を利用した女性の人身売買、女性に対する性的侵害行為その他不当な利益を目的とした婚姻であることが判明した場合、結婚登録は拒否される」
面接が無くなって以降は、喜ばしいことに、日本で結婚するのと、さほど困難さは変わらなくなりました。
がんばりましょう!
なお、ベトナム人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などについて再考できるはずです。)。
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ベトナム先行でご結婚された日本人とベトナム人のご夫婦です。
会社員の日本人のご主人様からのご依頼で、ベトナム人の奥様の配偶者ビザのご依頼をいただきました。
アルファサポート行政書士事務所のノウハウを駆使し、無事に許可されました。
おめでとうございます!
ベトナム政府は、日本人であるあなたの戸籍情報をもっていませんので、あなたが日本法に照らして結婚できる状況になるのかが分かりません。
このため、日本人の「婚姻要件具備証明書」を取得する必要があります。
日本人の「婚姻要件具備証明書」は日本の法務局で取得してベトナムに持参することもできますが、在ベトナム日本大使館で取得することもできます。
ここでは、最も利用者が多い、在ベトナム日本大使館で取得するケースについてご説明します。
必要書類
・証明書発給申請書(大使館備え付け)
・日本人のパスポート原本
・日本の本籍地で取得した「戸籍謄本」※発行日から3か月以内のもの
・結婚相手であるベトナム人の身分証明書
・結婚相手であるベトナム人の婚姻状況確認書 ※「婚姻要件具備証明書」の種類により不要なケースもあり
ベトナム人同士の結婚と異なり、外国人とベトナム人の結婚は、県レベルの人民委員会が担当しますので、結婚相手のベトナム人の本籍のある県レベルの人民委員会の窓口に出頭して申請します。
必要書類(日本人)
・婚姻登録申請書
・ステップ1・2で取得した「婚姻要件具備証明書」
・公立の総合病院が発行する健康診断書(医師の診断書)
※医師の診断書は、ベトナムの政府レベルの決定において要求されているものなので取得しないわけにはいきませんが、
ベトナム人同士が結婚する場合においても必要なものなので、ベトナム人のお相手なら取得方法をよく知っています。
・パスポート原本
申請と異なり、結婚証明書の受領は夫婦そろって役所に出頭する必要があります。交付は、申請から15日以内とされていますが、急ぎの場合などは柔軟に対応してくれます。
ただし柔軟な対応の見返りが要求されるかもしれません。
ベトナムでの結婚が完了しても、日本政府に報告しなければ、お二人は日本の法律では独身のままなので、日本の配偶者ビザの申請ができなくなります。
ベトナムに赴任されているビジネスマンは在ベトナム日本大使館に結婚を報告しましょう。日本に住む日本人が結婚のためにベトナムを訪れている場合は、日本の市区町村役場に報告することが多いです(そのほうが時間がかからないため)。
ここでは、在ベトナム日本大使館に届け出る方法をご説明します。
必要書類
・婚姻届 2通又は3通(本籍地を移動させないのであれば2通です)
・日本人の戸籍謄本 2通
・ベトナム当局発行の結婚証明書
・ベトナム当局発行の結婚証明書の日本語訳
・ベトナム人の国籍を証明する書類(出生証明書またはパスポート原本)と日本語訳
みんビザがお勧めする東京・六本木のアルファサポート行政書士事務所は、ベトナム人と日本人との国際結婚手続についてのアドバイスを有料で行なっています。
また両国での結婚成立後に配偶者ビザを申請する必要があるかたは、重箱の隅をつつかれても耐えられる書面を作成していく必要がありますから、みんビザがお勧めする行政書士に相談しましょう。
アメリカや欧州の方には移民法弁護士(immigration lawyer)といって、ビザの取得を弁護士に依頼することはごく当たり前の行為として定着しているのですが、アジア諸国などではまだ自力で徒手空拳でビザ申請をやりがちですから、日本人の方がきちんとフォローしてあげましょう。日本ではビザ申請は弁護士ではなく行政書士の仕事となっています。>>こちら
行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)
東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。