更新:2021年1月15日
行政書士 佐久間毅
この記事では、コロンビア人と日本人との結婚手続きについて、
日本で先に結婚する方法と、コロンビアで先に結婚手続きを行なう方法にわけて、
東京のアルファサポート行政書士事務所がくわしく解説します!
なおコロンビア人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、
交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。
問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう。
配偶者ビザの条件の中には、国際結婚の完了後にはどうにもできない問題がいくつかあります(例えば交際期間など。)。
まだご結婚前であれば、交際期間などについて再考できるはずですので、関連記事「配偶者ビザの条件」などをよくご確認ください。
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>> 日本先行でコロンビア人と結婚をする場合は、市区町村役場に結婚届を提出します。
>> コロンビア先行でコロンビア人と結婚する場合は、日本人が婚姻要件具備証明書を取得します。
>> 日本先行で結婚しても、コロンビア先行で結婚をしても、最終的に両方の国で結婚を届け出ることができます。
いいえ、同じではありません。コロンビア先行の場合はコロンビア法にもとづいて、日本先行の場合は日本法にもとづいて結婚をするからです。
したがって、カップルが置かれている様々な状況によって、どちらを選択すべきかが違ってきます。
以下を参考に決定しましょう。
コロンビア人と日本で先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。
<メリット>
・結婚手続きがコロンビア先行の場合よりもシンプルである
<デメリット>
・コロンビア人の「婚姻要件具備証明書」は本国でしか取得できないので、結婚手続きを日本国内だけでは完結できない。
・日本先行で結婚しても、在日コロンビア大使館でコロンビア側のへ結婚手続きをすることができるので大きなデメリットはありません。
【解説】
日本先行でコロンビア人と結婚する方法は、コロンビアで結婚するよりもシンプルなので、多くの方がこの方法で結婚されています。
コロンビア人とコロンビアで先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。
<メリット>
・日本先行と比較したメリットはありませんが、当事者のお二人がコロンビア在住であれば、コロンビアで結婚することになるでしょう。
<デメリット>
・コロンビア先行で結婚手続きを行なうと、5日間の公告期間があるなど、日本先行で行なうよりも多少複雑である。
・コロンビアに結婚当事者2名がそろわないと原則として結婚することができない。
【解説】
現在お二人がメキシコにいらっしゃるのであれば、コロンビア先行の結婚が選択されるでしょう。
日本人とコロンビア人が日本先行で結婚をする場合の手続きは、4ステップで完了します。
日本で結婚生活を送る場合はStep5に進みましょう。
Step1:コロンビア人が、コロンビアで「婚姻要件具備証明書」、「出生証明書」を取得
・コロンビアは在日コロンビア大使館では「婚姻要件具備証明書(Acta declaracion con fines extraprocesales)」が発行されないため、コロンビア本国の公証役場(Notaria)で発行してもらいます。コロンビアの婚姻要件具備証明書は宣誓書方式なので、当事者本人でなくても、ご友人などが宣誓することにより取得できます。
・「出生証明書(Registro civil de nacimiento)」は、コロンビア人の両親の氏名を確認するために必要ですが、「婚姻要件具備証明書」の内容に含めてしまえば、別途不要とされることが多いので、事前に日本の市区町村役場で確認します。出生証明書を準備しておけば安心ですが、その場合も公証役場(Notaria)で取得できます。
・その後、日本で使用するために、コロンビア外務省でアポスティーユを取得します。アポスティーユとは、その書面が本物であることについてのコロンビア政府による証明です。
Step2:日本の市区町村役場へ婚姻届を提出
日本の市区町村役場へ結婚届を提出し、結婚を成立させます。婚姻届が受理された時点で、婚姻は成立です。
【必要書類】
・婚姻届
・コロンビア人の婚姻要件具備証明書と日本語訳
・コロンビア人の出生証明書と日本語訳
・コロンビア人のパスポート
・日本人の本人確認書類
・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚をする場合
・その他指示されたもの
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国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。
Step3:日本の外務省で「婚姻届受理証明書」にアポスティーユを取得する
日本の市区町村役場で取得した「婚姻届受理証明書」が本物であるか在日コロンビア大使館政府はわからないので、日本外務省でアポスティーユを取得します。
Step4:在日コロンビア大使館へ書類のコピーを送付
日本の市区町村役場で取得し、日本外務省でアポスティーユをつけてもらった「婚姻届受理証明書」を、アポスティーユとともにスペイン語に翻訳します。その上で、次の書面を在日コロンビア大使館へ送付します。
事前に書類の不備などについて確認してもらい、直接持ち込んで無駄足になることを防ぐために事前送付します。
書類が在日コロンビア大使館に到着した後、電話で結婚当事者が大使館を訪問する日時を決定します。
【必要書類】
・婚姻届受理証明書のコピー
・婚姻要件具備証明書のスペイン語訳のコピー
・アポスティーユのコピー
・アポスティーユのスペイン語訳のコピー
・コロンビア人のパスポートコピー
・コロンビア人の身分証カード(CEDULA)のコピー
・その他指示されたもの
Step5:在日コロンビア大使館で結婚を登録する
合意した訪問日に在日コロンビア大使館を訪れ、事前に送付した書類の原本を持参します。
コロンビア政府に日本で成立した結婚を報告し、コロンビア政府に結婚を登録します。登録が完了すると、在日コロンビア大使館で「結婚証明書(Registro civil de matrimonio)」を発行してくれます。
Step6:日本の配偶者ビザを申請する
日本での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。
コロンビア人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。
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概要
・コロンビアは役所で結婚をする民事婚と、教会などで結婚する宗教婚を選択することができますが、宗教婚を選択した場合も最終的には公証役場で結婚の登録を行なう必要があります。
・民事婚はコロンビアの各地に沢山あるNotariaとよばれる公証役場で行います。
・コロンビア先行の結婚手続きは、公証役場に出向き、または電話して、必要書類や手順について話し合うことからはじまります。
・コロンビアの婚姻法は解釈の余地が大きく、婚姻の要件や書類について、公証人により異なる判断が下されることが多いです。このため公証人にコンタクトをとったら、その公証人が要求する要件や書類が何であるかをまず把握しましょう。
・公証役場は沢山あり、公証役場は選択できるため、コロンビアの公証人から非現実的な要求を受けたときは、別の公証人を検討することも検討してみましょう。
・日本人が用意する「婚姻要件具備証明書」は、日本の法務局で取得できるほか、在コロンビア日本大使館で取得することもできます。
・「婚姻要件具備証明書」の有効期限は3カ月とされていますので、あまり早く取得してしまうと期限切れとなります。
Step1:日本人が「婚姻要件具備証明書」など要求された書類を取得する
上述のように、公証人によって日本人に要求する書面が異なるので、可能であれば事前に要求する書面を確認します。
通常は、日本人が日本で「戸籍謄本」と「婚姻要件具備証明書」を取得します。
婚姻要件具備証明書とは、日本人が日本法に照らして結婚することができる状況にあることを日本政府が証明する書面です。
・戸籍謄本は日本の本籍地の市区町村役場で発行されます。
・婚姻要件具備証明書は、法務局という国の役所で発行されます。
Step2:日本の外務省でアポスティーユを取得し、コロンビアへ持参または郵送する
日本で取得した戸籍謄本と婚姻要件具備証明書が本物であるかコロンビア政府は判断できないので、日本外務省でアポスティーユを取得します。その上で、コロンビアへ持参または郵送します。
郵送する場合、コロンビアでは公的郵送サービスの信頼が低いので、日本の郵便局のEMSではなく、FedexやDHLなどの民間サービスも検討してみましょう。日本からEMSで郵送すると、コロンビアでは公的サービスに業務が引き継がれます。
Step3:コロンビア認定翻訳士(Perito traductor)に、日本の書類のスペイン語訳をしてもらう
日本の市区町村役場で取得し、日本外務省でアポスティーユをつけてもらった書類を、アポスティーユとともにスペイン語に翻訳してもらいます。日本語を専門とする認定翻訳士は人数が少ないので、見つからない場合は在コロンビア日本国大使館で紹介してもらいましょう。
Step4:公証役場(Notaria)に書類を提出する
結婚当事者が、数多くある公証役場(Notaria)へ出向き、申請書類を提出します。
書類が整っていれば、結婚式の日時を決定します。
【必要書類】
・結婚申請書 ※Notariaごとに書式が異なります。
(日本人)
・戸籍謄本 ※アポスティーユ付き
・戸籍謄本のスペイン語訳
・婚姻要件具備証明書 ※アポスティーユ付き
・婚姻要件具備証明書のスペイン語訳
・アポスティーユのスペイン語訳 ※アポスティーユは英語で書かれているためスペイン語訳が必要です。
・有効なパスポート
・その他指示されたもの
(コロンビア人)
・出生証明書(Regirtro de Nacimiento)
・出生証明書のAutentication
・身分証明書(Cedula de ciudadania)
・身分証明書のAutentication
・その他指示されたもの
※前婚があるときは、離婚証明書または前婚配偶者の死亡証明書
Step5:結婚の公告をする
結婚の書類が受付られると、公証役場は「結婚の公告」を行ない、結婚当事者が結婚を考えていることを世間に5日間公示します。
この間に異議が出なかった場合は、次のステップに進むことができます。公示内容には、結婚当事者の氏名、住所が含まれます。
Step6:結婚式をあげ、結婚を成立させる
結婚式では、結婚当事者が「結婚は自由意思にもとづき、自発的に団結して同居し、お互い扶け合い、結婚に支障がないこと」を表明します。
結婚が市民登録簿に登録されると、結婚証明書(Registro civil de matrimonio)の交付を受けます。
Step7:日本に結婚を報告する
今後、日本で生活をする場合には、日本に帰国してから、コロンビアで結婚が成立したことを報告するために市区町村役場に結婚届を提出します。
【必要書類】
・婚姻届
・コロンビア政府発行の婚姻証明書(アポスティーユ付き)
・婚姻登録証明書の日本語訳
・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚する場合
・日本人の本人確認書類
・コロンビア人の出生証明書(アポスティーユ付き)
・出生証明書の日本語訳
・コロンビア人のパスポート
・その他指示されたもの
〇よく一緒に読まれている記事
国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。
Step8:日本の配偶者ビザを申請する
両国での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。
コロンビア人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。
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行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)
東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。