更新:2021年1月14日
行政書士 佐久間毅
この記事では、アルゼンチン人と日本人との結婚手続きについて、
日本で先に結婚する方法と、アルゼンチンで先に結婚手続きを行なう方法にわけて、
東京のアルファサポート行政書士事務所がくわしく解説します!
なおアルゼンチン人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、
交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。
問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう。
配偶者ビザの条件の中には、国際結婚の完了後にはどうにもできない問題がいくつかあります(例えば交際期間など。)。
まだご結婚前であれば、交際期間などについて再考できるはずですので、関連記事「配偶者ビザの条件」などをよくご確認ください。
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>> 日本先行でアルゼンチン人と結婚をする場合は、市区町村役場に結婚届を提出します。
>> アルゼンチン先行でアルゼンチン人と結婚する場合は、日本人が婚姻要件具備証明書を取得します。
>> 日本先行で結婚しても、アルゼンチン先行で結婚をしても、最終的に両方の国で結婚を届け出ることができます。
いいえ、同じではありません。アルゼンチン先行の場合はアルゼンチン法にもとづいて、日本先行の場合は日本法にもとづいて結婚をするからです。
したがって、カップルが置かれている様々な状況によって、どちらを選択すべきかが違ってきます。
以下を参考に決定しましょう。
アルゼンチン人と日本で先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。
<メリット>
・結婚手続きがアルゼンチン先行の場合よりもシンプルである
<デメリット>
・日本先行で結婚しても、アルゼンチン政府に結婚を届け出ることができるので特にありません。
【解説】
日本先行でアルゼンチン人と結婚する方法は、アルゼンチンで結婚するよりもシンプルなので、多くの方がこの方法で結婚されています。
アルゼンチン人とアルゼンチンで先に結婚をする場合のメリット・デメリットはつぎのとおりです。
<メリット>
・アルゼンチン先行の手続きは多少複雑なので、大きなメリットはありませんが、結婚当事者のお二人がアルゼンチン在住であれば、アルゼンチンで結婚することになるでしょう。
<デメリット>
・アルゼンチン先行で結婚手続きを行なうと、日本先行で行なうよりも血液検査をしたり、多少複雑である
・アルゼンチンに結婚当事者2名がそろわないと原則として結婚することができない
【解説】
現在お二人がアルゼンチンにいらっしゃるのであれば、アルゼンチン先行の結婚が選択されるでしょう。
日本人とアルゼンチン人が日本先行で結婚をする場合の手続きは、4ステップで完了します。
日本で結婚生活を送る場合はStep5に進みましょう。
Step1:アルゼンチン人が、アルゼンチンで「出生証明書」、「独身証明書」を取得
アルゼンチン人がアルゼンチンにおいて、出生証明書と独身証明書を取得します。
その後、日本で使用するために、アルゼンチン外務省でアポスティーユを取得します。
なお、海外居住者であるアルゼンチン人の場合は、日本からオンラインで請求することができますが、
コロナ禍においては、アルゼンチン国内においても郵送やネットによる様々な行政サービスが停止されていますのでご注意ください。
〇オンライン請求:http://www.mininterior.gov.ar/tramitesyservicios/partidas-certificados.php
Step2:日本の市区町村役場へ婚姻届を提出
日本の市区町村役場へ結婚届を提出し、結婚を成立させます。
【必要書類】
・婚姻届
・独身証明書と日本語訳
・出生証明書と日本語訳
・申述書
※アルゼンチン政府は婚姻要件具備証明書を発行しない国であり、また、アルゼンチンで取得した「独身証明書」のみでは
婚姻要件のすべてを満たしているのか不明であるため、婚姻要件のすべてを満たしていることについて申述する必要があります。
・アルゼンチン人のパスポート
・日本人の本人確認書類
・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚をする場合
・その他指示されたもの
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国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。
Step3:日本の外務省でアポスティーユを取得する
日本の市区町村役場で取得した「婚姻届記載事項証明書」または「婚姻届受理証明書」が本物であるか在日アルゼンチン大使館はわからないので、日本外務省でアポスティーユを取得します。
Step4:駐日アルゼンチン大使館に、日本で成立した結婚を報告
日本で結婚を成立させたあと、駐日アルゼンチン大使館においてアルゼンチン政府に結婚を報告します。
事前に予約が必要です。
【必要書類】
・婚姻届記載事項証明書または婚姻届受理証明書 ※日本外務省でアポスティーユを付されたもの
・婚姻届記載事項証明書または婚姻届受理証明書のスペイン語訳
・アルゼンチン人の身分証(DNI)とパスポート
・日本人のパスポート
・その他指示されたもの
Step5:日本の配偶者ビザを申請する
日本での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。
アルゼンチン人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。
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Step1:在アルゼンチン日本大使館で「婚姻要件具備証明書」を取得する
日本人が、在アルゼンチン日本国大使館で、婚姻要件具備証明書を取得します。
婚姻要件具備証明書とは、日本人が日本法に照らして結婚することができる状況にあることを日本政府が証明する書面です。
申請者は日本人に限られます。
【必要書類】
・証明書発給申請書
・発行から3か月以内の戸籍謄本の原本
・申請人の本人確認書類(旅券)
・アルゼンチン人の氏名の綴りを確認できる公文書(出生証明書、パスポート等)
・その他指示されたもの
Step2:インターネットで結婚式の予約をします
インターネット上に表示される空き状況をみながら、結婚式の日取りを予約します。
Step3:指定病院で血液検査をうける
結婚するためには役所が指定する病院で結婚前に検査をうけ、「婚前医師証明書」を入手する必要があります。
Step4:役所に書類を提出する
結婚当事者が、アルゼンチン人の居住地の「民事身分登録所(Registro del Estado Civil y Caopacidad de las Personas)」へ出向き、申請書類を提出します(アルゼンチン民法186条、187条)。
この場で簡単なスペイン語のテストがあり、スペイン語を解しないと判断されたときは、結婚式において公式通訳者を同席させる必要があります(アルゼンチン民法190条)。
【必要書類】
・結婚申請書 ※氏名・年齢・国籍・住所・職業・両親の氏名や職業などの情報、過去の婚姻の有無などを記載したもの
(日本人)
・婚姻要件具備証明書
・有効なパスポート
・婚前医師診断書
・その他指示されたもの
(アルゼンチン人)
・身分証明書
・婚前医師診断書
・その他指示されたもの
※前婚があるときは、離婚証明書または前婚配偶者の死亡証明書
Step5:結婚式をあげ、結婚を成立させる
結婚式は、担当者の前に、結婚当事者2名と証人2人が出頭する形式で行なわれます。
結婚当事者・証人ともに、当日、身分証明書の持参が必要となります。
結婚が完了すると、結婚式の当日に、結婚証明書と家族手帳が交付されます。
結婚の成立自体には234ドル程度かかりますが、家族手帳は無料です。
Step6:日本に結婚を報告する
今後、日本で生活をする場合には、日本に帰国してから、アルゼンチンで結婚が成立したことを報告するために市区町村役場に結婚届を提出します。
【必要書類】
・婚姻届
・アルゼンチン政府発行の婚姻証明書(アポスティーユ付き)
・婚姻登録証明書の日本語訳
・日本人の戸籍謄本 ※本籍地以外で結婚する場合
・日本人の本人確認書類
・アルゼンチン人の出生証明書(アポスティーユ付き)
・アルゼンチン人のパスポート
・その他指示されたもの
〇よく一緒に読まれている記事
国際結婚の場合の婚姻届の書き方はこちらで解説しています。
Step7:日本の配偶者ビザを申請する
両国での結婚手続きが完了したら、日本の配偶者ビザ申請手続きに移行します。
アルゼンチン人とご結婚された日本人のかたが自分でお相手の配偶者ビザを申請され、不許可になってみんビザ™にもちこまれることが多いケースが、年齢差が大きい、交際期間が短い、収入面(継続性・安定性・額)に問題があるケースです。問題となりそうな人はご結婚前にきちんと解決しましょう(まだご結婚前であれば、交際期間などが調整できるはずです。)。
〇よく一緒に読まれている記事
行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)
東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。