すべての人に共通の配偶者ビザのリスク

~年齢差が大きい~

更新日時:2020年11月25日

行政書士 佐久間毅 

配偶者ビザ,年齢差,

日本で最多のアクセスを誇る配偶者ビザ専門サイト(2020年11月現在、弊社調べ)を運営する東京のアルファサポート行政書士事務所には、ご自身で申請をされて不許可になってしまった案件が多く持ち込まれます。

 

そのような事案のなかには、弊社に事前にご相談いただいても救うことのできなかったであろう深刻なレベルのものもありますが、逆に事前にご依頼をいただいていれば許可を勝ち得たはずの案件もあります。

 

この記事では、配偶者ビザが許可されるにあたり最も重要な要件のひとつである婚姻の真実性の立証と年齢差について、事例をあげながらその対処法について解説します。

 

■かんたん解説

>> 年齢差があるときは他の悪材料(短い交際期間 , 収入の安定性と継続性に欠けるなど)と合わせ技一本で不許可となることが多いので、他のリスク要因を含めて全体としてフォローする必要があり、一般的な申請と比較して「申請理由書」や補助書面のはたす役割が大きくなります。

>> 年齢差にかんする国の統計値から自らの申請の「レア度」を直視し、年齢差が大きければ大きいほど慎重に書類をつくりこまなければ不許可となります。
>> 年齢差は努力により小さくできないので、他の悪材料(リスク要因)の影響を限りなく排除することで許可に近づきます。

 

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 ・配偶者ビザ 申請理由書

 

■配偶者ビザと年齢差にかんする事例とその対処法

配偶者ビザ

 

【申請人プロフィール】

 

Wさん(日本人男性)

Uさん(外国人女性)

50代男性

結婚1年未満

子供なし

会社員(一部上場)

 

 

Wさんは日本の上場企業で責任ある地位にあります。Wさんの会社は世界に拠点を設けており、Wさんは仕事でしばしば各国の拠点に顔を出しています。

Uさんはこの会社の現地法人の社員で、仕事を通じて親しくなり、Uさんの明るくて親切な人柄にとても惹かれたといいます。

 

WさんとUさんとは10歳以上の年齢差がありましたが、3年の交際を経て、めでたく結婚することとなりました。

Uさんはかつて日本の本社で働いたこともあり、日本語が流ちょうなので、意思疎通もまったく問題がありません。

 

Wさんは言います。私たちは確かに年齢差がありますが、3年の交際歴があり、収入も会社員としては恵まれた金額をいただいていますので、特に問題なく配偶者ビザをいただけるのではないかと思っていました。

妻は仕事で日本に来ることもあり、そのビザは問題なく発給されていました。ただそれが私たちの油断につながった側面があったかもしれません。

 

配偶者ビザを申請してから3か月後に出入国管理局から1通の封書が届き、てっきり許可されたものと思ったWさんは、わくわくしながら開封したそうです。

しかし中から出てきたのは不許可通知でした。

 

不許可通知とわかったとき、何かの間違いではと思ったというWさんでしたが、その後いっきに後悔の念がこみあげてきたといいます。

私の職業収入にはまったく問題がないことは明らかでしたので、不許可になったということは、婚姻の真実性について立証が十分でなかったということを意味します。

たしかに甘かったなと不許可通知をうけとってから色々思うところがあったのですが、もう手遅れでした。

 

入管に不許可の理由を聞きにいきましたが、非常に遠回しの言い方で、真実の結婚であることをもっとしっかり立証してくれと指摘されました。

もちろん年齢差が大きすぎるとか、あなたの結婚は疑わしいとか直接的に言われることはありませんでしたが、話を全体としてみたときに、要するにそういうことなのだろうなと受け止めました。悔やんでも悔やみきれません。

 

■年齢差が大きなときの立証のポイント

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配偶者ビザの要件に難があるとき、まずはその要件を満たすべく努力をしていただく必要がありますが、年齢差については今後どんなに努力しても差が縮まることはありません。しかしながら年齢差は婚姻の真実性を見極める指標なので、「交際期間」や「交際の密度」など他の指標について十分に立証をつくすことで挽回が可能です。

 

このときに忘れてはならないのが、他の指標である「交際期間」や「交際の密度」にくわえ、「収入の安定性」「収入の額」についての立証を、第三者から疑いを差しはさまれることのないレベルにまでガチガチに固めなければならないということです。

 

上図のように、年齢差だけがマイナスであり、他の要件についてはしっかりと立証に成功したならば、あなたの配偶者ビザ申請も許可される可能性が十分にあります。

 

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もし大きな年齢差があるにもかかわらず、くわえて交際期間が短いという事情があると、上図のような状況になります。だいぶ婚姻の真実性の立証が危うくなっていることがお分かりになるでしょう。年齢差はジェネレーションギャップを意味しますが、国際結婚の場合はそれだけでなく言語的ギャップや文化的ギャップを乗り越えなければならないのに、ほんとうにそんなに短い交際期間で相手を見極められるものなのだろうかという入管の疑義を払しょくするだけの立証を尽くさなければ不許可となります。

 

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さらに大きな年齢差にくわえ、交際期間が短く、互いに外国語能力が乏しく込み入った内容の会話に支障があるなど交際密度が低いなどの事情があるときには、上の図のような状態になります。こうなると、出入国在留管理局からしてみれば婚姻の真実性への疑義がとても大きくなりますので、きわめて不許可になりやすい状況となります。

 

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年齢差が大きい時には、他のツッコミどころをつくらないことも大切です。年齢差が大きなご結婚をされるかたのなかには、非正規雇用のかたもいらっしゃると思います。このような方は、婚姻の真実性の要件のみならず、収入の安定性の立証にも困難を伴うことがあります。このような状態は上図のように、あちこちに立証が尽くされていない状況が飛び火しており、入管が不許可を出しやすくなります。

 

年齢差だけが弱点なのであれば、年齢差が大きくても配偶者ビザが許可されている方は現実にいらっしゃるので入管は不許可がだしづらいですが、そのほかにも満たしていない条件があるのであれば、複数のポイントを総合的に評価したうえであなたを不許可にしやすくなるのです。

 

また今は正社員であるかたでも50歳代後半になられているときは、定年が目前に迫ってきています。このようなかたの場合はたとえ現在は正社員であっても、収入の安定性の立証を他の若いカップルと同じように行っても立証が尽くされることはありません。

 

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■コロナ禍でも、お客様の配偶者ビザが続々と許可されています!

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【2020年】東京・アルファサポートがノウハウを駆使して東京入管から取得した中国人の奥様の配偶者ビザ

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■くわしく解説

配偶者ビザをご自分で申請されて不許可になり、慌ててみんビザ™に持ち込まれるケースの典型が、年齢差がある国際結婚です。

年齢差のある国際結婚は統計的にみても珍しいというだけでなく、偽装婚の圧倒的大多数が年の差婚なので、入管が最も警戒しているポイントだからです。

 

若年層の初婚同士の偽装婚というものは、あまりないだろうな・・・ということは、皆様にもうすうすご理解いただけるはずです。

 

年の差は解消のしようがないことなのですが、最大のポイントは、年齢差以外は入管に一切つっこみどころを与えないという決意です。

 

年の差があり、かつ、交際期間も短く、かつ、収入も少なくて、収入の継続性も安定性もないということになると、入管にとって突っ込みどころのオンパレードとなり、もう不許可まっしぐらです。

 

したがって、年の差婚の国際結婚をされた方は、年の差は解消のしようが無いので、他の条件を入管に有無を言わせないレベルで立証しなければなりません。

 

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配偶者ビザのことなら出入国在留管理局(入管)で何でも教えてくれると思っていませんか? それは税務署で「節税」対策を教えてもらうことを期待するようなものです。税についてならば何でも税務署で相談すれば事足りるというものではありませんよね?

 

配偶者ビザ必要書類でいえば、どの書類があれば「受付」するかは教えてくれますが、その受付された書類で許可が見込まれるのか、不許可になる可能性が高いのかは一切教えてくれません。そこが一番肝心ななずです。

 

あなた(審査される人)と入管(審査する人)とでは利害関係が一致しておらず、教えてくれることとくれないことがあることを理解しましょう。あなたの立場にたった本当のノウハウはみんビザ™がお勧めする行政書士が教えてくれます。>>こちら

 

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■コロナ禍でも、配偶者ビザを勝ちとったアルファサポートのお客様!おめでとうございます!

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【2020年】東京・アルファサポートのお手伝いにより、中国人女性のお客様が、在留資格変更許可申請により在留資格「日本人の配偶者等」の在留カードを取得しました。

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■年齢差と相性のわるい他の悪材料(リスク要因)とは?

年齢差がある国際結婚と、配偶者ビザ申請において相性が悪い他のリスク要因の1つは、「交際期間が短いこと」です。年齢差のある国際結婚は偽装婚を疑われがちなのですが、ここにさらに他の要因が重なると申請書の中身がよほど説得的でないと不許可になります。

偽装婚でないことの証明責任は申請人にありますので、2つ以上の悪材料がある場合は、入管当局としても不許可にしやすいからです。

 

通常、年齢差がある場合には、結婚するにあたって様々な葛藤をかかえることが多いわけです。年齢差が親子ほどの年齢差に近づいていくにつれ、同世代同士の夫婦が当たり前のように抱く「人生プラン」が設計しづらくなっていきます。

 

若年世代の結婚の場合、国も調査においても、結婚の次の目標が「子育て」になることが多いのですが、年齢差がある場合は、次の目標をそこに設定することができないケースも多々あります。

ジェネレーションギャップは言うまでもなく、本来は様々な葛藤を生み出すはずの「年の差婚」なので、十分な交際期間と熟慮期間を経てご結婚されるかたが実際には多いです。

 

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■年齢差があって、さらに交際期間も短いとどうなる?

ところがまれに、大きな年齢差があるにもかかわらず、他の多くの同世代カップルよりもむしろ短い交際期間でスピード婚をされるかたがいらっしゃいます。

国の統計では、交際開始から結婚に至るまでの平均交際期間は4.26年です(「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」国立社会保障・人口問題研究所)。

恋愛結婚に限定すると、平均交際期間は4.55年、つまり平均4年半以上の交際を経て結婚されています。

 

したがって、年齢差が大きく、かつ、交際期間も短い場合には、日本全体でみた場合にほとんど発生しないケースということになります。こうなるとどこまで真剣に考え、準備したうえでのご結婚なのでしょうか?という入管の疑問に回答する必要が出てくるので、配偶者ビザの難度がとても上がりますから、かならずみんビザがお勧めする行政書士に相談しましょう。>>こちら

 

■年齢差があって、さらに収入面でも不安を抱えているとどうなる?

また、年収が少ない、非正規雇用であるなど経済面での悪材料がある場合は、配偶者ビザの2大ポイントの両方(婚姻の真実性と収入の安定性と継続性)に疑義が生じることになりますので、入管は非常に不許可の判断をしやすくなります。

 

かんたん解説の「合わせ技一本」とはこのような意味です。年齢差はどう頑張っても縮めることはできませんので、他のリスク要因の影響をいかに排除して、合わせ技一本に持ち込ませなくするのかが生死(許可・不許可)の分かれ目になります。いくつかのマイナス要因をかかえているかたは、かならずみんビザがお勧めする行政書士に相談しましょう。>>こちら

 

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■夫婦の年齢差にかんする国の調査はどうなっているの?

厚生労働省の調査によると、婚姻届を提出したカップルの年齢差はつぎのようになっています(厚生労働省「人口動態調査」)。

この統計で、ご自身の結婚が日本全体でみたときに、どのていどレアなものなのかを把握しましょう。

 

【夫が妻より年上】

・年齢差が10歳~20歳未満 全体の 3.8%          (百組に3.8件)

・年齢差が20歳~30歳未満 全体の 0.28%   (千組に2.8件)

・年齢差が30歳~40歳未満 全体の 0.034%   (1万組に3.4件)

 

【妻が夫より年上】

・年齢差が10歳~20歳未満 全体の 0.47%   (千組に4.7件)

・年齢差が20歳~30歳未満 全体の 0.022%   (1万組に2.2件)

・年齢差が30歳~40歳未満 全体の 0.0040%  (10万組に4.0件)

 

■相性のよい他の要因

年齢差のある国際結婚で、そのマイナスを埋めてくれる可能性の高い最も相性のよい他の要因は、「長期の交際期間」です。もちろん、ただ長いだけでなく、質も問われます。

 

どんなに年の差があろうが、相手を十分に見極め、熟慮したうえでの結婚であれば、入管などの第三者にとやかく言われる筋合いのものではなく、きちんとした交際を立証することができれば、年齢差があっても、配偶者ビザが許可される可能性は十分にあります。

 

■まとめ

 

入管は、1つだけのマイナス要因はそれを適切にカバーし、かつ、他には何らの不許可要因がないことを徹底的に立証することで大目に見てくれることもゼロではありません(致命的なものを除く。)が、2つ以上のマイナス要因を同時にかかえている、問答無用で不許可にすることが多いので注意しましょう。入管の立場になると、マイナス要因をいくつも抱えている人は、不許可の判断を下しやすいということになります。

 

そのためには、配偶者ビザの条件をきちんと把握することがスタート地点になります。

 

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 ・配偶者ビザ 条件

 

 

したがって、配偶者ビザのマイナス要因を自覚している人は、重箱の隅をつつかれても耐えられる書面を作成していく必要がありますから、みんビザがお勧めする行政書士に相談しましょう。

アメリカや欧州の方には移民法弁護士(immigration lawyer)といって、ビザの取得を弁護士に依頼することはごく当たり前の行為として定着しているのですが、アジア諸国などではまだ自力で徒手空拳でビザ申請をやりがちですから、日本人の方がきちんとフォローしてあげましょう。日本ではビザ申請は弁護士ではなく行政書士の仕事となっています。>>こちら

 

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■この記事を書いた人

行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)

東京都出身。慶應義塾志木高等学校慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。


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